尿もれケア - 女性のためのコンディショニング
尿もれのタイプ
尿もれには腹圧性と切迫性、その両者混合タイプがあります。
- 腹圧性
内臓を支えている骨盤底筋の弱化によって、重みが膀胱・尿道を圧迫し、咳やくしゃみなどの圧力が加わった際に、こらえきれず漏れてしまいます。
腹圧性尿もれの原因
- 妊娠・出産の影響
妊娠週数が進みお腹が大きくなっていくにつれ、股関節を使いづらく、お腹の筋肉もどんどん伸ばされてしまいます。支える筋肉が低下していく中でお腹が大きくなるため、骨盤底筋にかかる負担が増えます。
出産時、自然分娩では骨盤は開き、骨盤底筋に大きな負担がかかります。また、帝王切開でも、インナーユニットを構成する腹横筋を切開します。このように、出産時にはカラダを支えるために重要な役割を果たすインナーユニットへ大きな負担がかかるのですが、産後この状態のままで動きだしてしまうと、うまくお腹に力が入らず、骨盤底筋に負担がかかります。
加えて、抱っこ等で腕・手首にかなりの負荷が加わり腱鞘炎や腰痛の原因となり、更にお腹の力が入らないことで、足への負担も増え、偏平足や足底筋膜炎などのトラブルも発生しやすくなります。 - 体重増加、肥満の影響
急に体重が増えた、お腹周りが大きくなってしまった場合、骨盤が開いてお腹の筋肉に力が入りづらくなり、骨盤底筋への負荷が増えます。 増加した重さ自体が骨盤底筋の負担になることもあります。 - 腹部手術の影響
婦人科系の手術や腹部手術などでインナーユニットの一部である腹横筋を切開すると、傷口が治っても、うまくお腹に力を入れられないことが多く、骨盤底筋への負担が増え、そのままの状態で経過していくと、尿もれが生じることがあります。 - 加齢の影響
高齢になって、インナーユニットやお尻の筋肉が落ちることで、骨盤底筋の負担が増えることも要因の一つです。
このように分娩時に骨盤底筋を直接傷めるだけでなく、妊娠・出産・肥満・外科的手術・加齢などでインナーユニットの力が落ちてしまったことによる骨盤底筋の弱化が症状の要因となることも多いのです。
- 切迫性
尿意を感じてトイレに行こうとするのに間に合わないという状態で、尿道や膀胱の働きになんらかの支障があることが多いです。病院で検査し、必要に応じて投薬や手術となります。 - 混合型
尿道や膀胱の働きに問題がないにも関わらず、トイレに間に合わないといった場合は、腹圧性と同様に骨盤底筋の弱化により内臓の重みに膀胱が圧迫されて生じる混合型です。